副業・仕事

私が銀行を退職した理由

こんにちは、ヒナムチです。

今回はヒナムチがどうして銀行を退職したかを記載しました。
共通点を見出し、ご自身の銀行を退職するきっかけになればと思います。

銀行に入社してから

地元の銀行に入行してまず驚いたことは、同期入社が180人近くいたことです。
正直、これまで人と少しでも違う生き方をしていきたいという私のマイノリティー思考からは大きく異なる所に入社していました。

 銀行員になる人間は正直、プライドや出世欲が高いと感じました。私は出世した所で、自分がやりたいことができるわけでもなければ、ただの雇われサラリーマンであることに変わりはないと思っていましたので、興味はありませんでした。
 しかし、実際に働き始めると同期に負けたくないとか、周りがやっているからやらなければと焦りを感じながら仕事をするようになり、気づけば銀行員としてのキャリアを築いていくということばかり考えるようになっていました。

銀行の体質や仕事内容が苦痛だった

基本的に銀行はごく一部の本部の人間と、大半の現場つまり支店の人間に振り分けられます。よく銀行員を描いたドラマ、例えば『半沢直樹』とか今ですと『集団左遷』等でもよく描かれているように、本部にいけることは一つの栄転と捉えられています。(もちろん行く部署にもよりますが)

つまり逆に言えば、銀行員人生の大半や全てを営業支店で過ごす人も少なくないわけです。営業支店はよくテレビドラマでも描かれているように、常に多大なノルマを突き付けられ、相当なハイプレッシャーの中での仕事を余儀なくされます。

また私の属していたのは『地方銀行』で、担当エリアが決められており、決められたエリア内で限られた企業との営業活動を行います。最初は新鮮味があっても、すぐに飽きてきます。また企業数も限られていても、ノルマだけは増え続けていくという始末。

相当な地元志向の強い、決められたことを何の疑いもなく遂行できる、真面目な人間でしか銀行員は務まらないと痛感しました。

銀行の体質トップダウン方式に翻弄される日々

銀行で働いていると、良い意味でも悪い意味でも『組織』を知ることになります。

組織とは

上層部からの命令→各部署レベルの部長レベルへ司令→各営業所への司令→各営業所長からの司令→直属の上司からの司令→末端社員

という構図のような、言い換えれば堅苦しい集団です。

どの会社も基本的には『トップダウン』つまりは上からの指示により、組織を動かすような構造で成り立っています。対称的に『ボトムアップ』という組織も存在します。

トップダウンの逆、つまり末端社員から上へ意見やアイデアを作り上げていく方式です。こちらの方式は末端社員にとっては非常に仕事がしやすいかもしれません。しかし組織として動きが遅くなるため、あまり多くの会社では見受けられません。

銀行という組織は、完全なるトップダウンで動きます。つまり上層部が「やれ」と言ったことは絶対です。つまり、お客さんの為とか関係ないわけです。

私を含め末端である社員はこのトップダウンに振り回されました。「あれをやれ」、「このノルマは常務管轄で、目標は必達」等様々なしがらみや、上層部の出世の為に完全に振り回されたのです。

銀行の仕事内容:銀行員のどんな仕事が嫌だったか

銀行員はドラマ等の影響もあり、業種として何をしているのか大雑把に言えば知らない人はいないと思います。

しかしそれはイメージが先行しており、『定期預金集めや集金』や『企業へ融資』等のごく一部の業務だと思います。

銀行が今一番力を入れていること、それは手数料ビジネスです。言い換えればそれが一番いやな仕事でした。

具体的に言うと、

  • 投資信託、保険商品の販売時の手数料
  • クレジットカードの年会費
  • 経営雑誌の年会費
  • 企業と企業のマッチングビジネス(M&A等)

です。その中でもとりわけ、投資信託、保険商品の販売手数料は銀行からするとノーリスクで手に入れられる収益源ということもあり、営業員は多大なノルマを貼り付けられています。当然通常の銀行の業務である

  • 企業向け融資業務
  • 個人向け住宅ローン
  • 為替(振込等)

の業務も行わなければなりませんが、今は国の量的緩和政策という金利を著しく低くする国策もあり『金利収入』は大きく落ち込んでいます。

また為替業務は仮想通貨やQR決済等により、銀行の必要性が薄れてきています。仮想通貨やQR決済については後日記載します。

その代替手段として特に収益性が高い投資信託や保険商品を販売することで穴埋めしようとしている訳です。

つまりその手数料ビジネスはマンパワーでないと稼げない為、おそらく銀行の中で一番辛い営業となります。私も毎日嫌だ嫌だと思いながら仕事をしていました。

退職するきっかけ

長くなりましたが私が銀行を退職するまでの経緯をお話し致します。

私は銀行に嫌気が指しながらも、生活していく為には働かなければならないと上層部の指示に思考停止しながら働き続けていました。

また上司も自分の出世や、上層部からの叱責に恐れるために更なるプレッシャーをかけてきます。また能力が低い上司は、どんどん自分の仕事を私に投げつけてきました。

自分自身の仕事だけでも、いっぱいいっぱいであるにも関わらず私はキャパ以上に多くの仕事を抱え込まされました。完全に精神的、肉体的に崩壊したのです。

次の日から仕事にいけなくなりました。その後精神科に行くことにしました。私自身はうつ病と思っていませんでしたが、精神は少し病んでいたようです。そこから約1か月病欠することにしました。

退職するまでに何を考えたか

会社を休み始めてから、2日~3日程度実際には肉体的にも精神的にもほとんど問題ない状態でした。ただとりあえず1か月は休むことにしたので、十分な休養をすることにしました。

計画的に休もうと思っていた訳ではなかったので、突然のことでしたが、自分を客観的に見つめなすことにしました。
当時の選択肢としては

  1. 現在の職場にそのまま復帰
  2. 部署を異動して、違う職場に復帰
  3. 退職して、独立
  4. 退職して、転職

一番簡単な選択肢は

①現在の職場にそのまま復帰

でした。

しかし、上司も仕事の内容も変わらないのであれば、また同じ結果になる訳です。どんなに優しい言葉や、考慮されたとしても時間が経てば同じ結果になります。
①は却下しました。

②部署を異動して、違う職場に復帰
こちらも選択肢としては実現は可能でした。

しかし、銀行は頻繁に転勤があり、その時は働く部署が良くても、いつどんな部署や支店に転勤させられるかは分かりません。

人事異動は絶対です。断る権利も、事前に相談することも許されません。
ですから、長い目で見て同じようなことになりうる可能性が高い訳です。
②も却下しました。

③退職して、独立
銀行員はいまだに外から見ると、華やかに見えている職業のようです。

正直に申し上げるとそれはごくごく一部の外資系銀行や投資銀行のことであり、通常の銀行マンは全く実態は違います。

実際はお客へ押し売りをしたり、自身のノルマ達成の為なら手段を厭わないブラック体質が多い職場です。(もちろんそうでない場合もありますが)

銀行は経営者と直接話せる機会が多く、人脈を形成する場所としては非常に良いと思います。しかし銀行の業務内容では、長年やったからと言って独立できるような業種ではないです。

銀行の中でも特異な部署で、よっぽど専門性があれば話は別ですが、基本的に営業マンでは独立が難しいです。

独立が難しい理由としては、基本的に銀行は銀行の有する個人情報や企業上に基づいて商売します。自分の知っているお客だけで独立して商売をすることは、母数的に難しいです。

また銀行は多額な資本を活用して、商売を行います。
つまり人や企業にお金が貸せるくらいのお金がなければ銀行と同じように仕事をすることは不可能です。

よく銀行員を退職して、外資系保険会社に転職する人がいます。これは一種個人事業主扱いなので独立に近いかもしれません。しかし、独立して保険販売をしている人の平均年収は300万円程度ともいわれています。
億を稼いでいる人は1%もいません。

退職者の大半が銀行時代の人脈と営業スキルに自信を持って、転職(独立)するようですが、長い目でそのような人脈やスキルすぐに底を尽き、営業スキルも銀行の看板ありきであったということを思い知り、後悔して、転職する人も多いようです。

よって③は退職後即座に独立するノウハウ・スキルが無いことが明白な為却下

④退職して、転職
当時の私の判断は、これが一番正しいと思っていましたし、現在もその結果にいます。
まず銀行を退職する意向は固かったです。

先程も述べましたが、銀行の体質、能力の低い上司、、転勤、様々な制限等からもはや銀行にいる意味はないと思っていました。

余談で、銀行の様々な制限という点について少しお話しいたします。
銀行は多くの企業情報を知りうる立場にあることから、株式投資は基本的に禁止されています。

仮に親から相続する場合においても、本部に申告しなければなりません。理由は簡単でインサイダー取引(企業の内部情報をもとに株の売買で儲けること)をする可能性があるからです。

また投機取引(FX,信用取引、、仮想通貨、その他レバレッジ〈元手以上のお金で投資すること〉)も禁じられているケースも多いです。

私の銀行の場合、禁止理由としては過去の横領事件でした。FX取引において、元手以上にレバレッジを利かせて取引を行い、為替が大暴落して、追金(元手資金を割り込んだ場合に、追加で必要となる資金)が必要となり、自分の資金がなく顧客のお金に手を付けてしまったというものです。

その他にも様々な制限があり、正直これから自由かつ自力で稼いでいける人間になりたい私にとっては銀行の制約は本当にストレスとなっていました。

話は戻りまして、転職という選択肢が一番に脳裏によぎった私は、さっそく転職会社に連絡して相談をしました。

銀行員は思いのほか市場価値が低い

まず私の希望は「転勤少ない(なし)」、「給料は一般的ならOK」、「金融業界でないこと」とりあえずこの3つでした。

一応病み上がりということもあり、「年収アップ」とか「キャリアアップ」というのは捨てました。私の中で「リハビリ」的につもりで転職しようと考えました。
転職エージェンシーにも転職相談もしました。

転職相談では、希望条件を伝えました。担当の人からは、『金融業界は無形商材であり、今から(当時28歳)からでは有形商材への転職はキャリアダウンとなる。』と言われました。

銀行というキャリアがあれば、比較的経歴も映えると思っていただけに衝撃的でした。買われたのは営業経験という所のみ。所有しているFP2級やTOEIC、証券外務員資格等も適切な場所でなければ、ただの持ち腐れ資格であることを痛感させられました。

銀行員だから、市場価値が高いということは一切通用しない訳です。また職務経歴書には社内の営業で表彰されたことや、顧客や会社への貢献度を記載しても、飽くまでそれは自己申告であり、客観的な内容としては不十分という訳です。

客観的となる資格、例えば税理士とか公認会計士を持っていれば別ですが、ファイナンシャルプランナー資格や証券外務員資格を持っていても、限られた金融機関でしか評価されないです。

また20代後半~は第二新卒という枠でもない為、企業が求めているピンポイントの職務経験がないと転職も難しいということが分かりました。

転職先決定

様々な転職サイトを転々とし、希望の条件を探し続けました。その中で希望に比較的近い条件があり、申込の後面接を受けました。

製造業の営業でした。比較的新しい会社で、転勤も無く、20代が中心で働いている所が非常に魅力的に映りました。また給料面も悪くはない印象でした。

面接も正直適当な感じではありましたが、ここでは経歴と銀行勤務5年ということも映え無事採用となりました。

とりあえずこれで無事銀行を脱することが決定したわけです。心に少し安堵感ができました。

銀行退職手続

銀行には1か月休職させていただくことにしていましたが、とりあえず延長して3か月休職させてもらうこととしました。

正直1か月もあれば健常な状態に戻っていましたが、銀行業務に復職するつもりもなかった為ギリギリまで休むこととしました。1か月の休みで有給を消化しきっていましたが、2か月目、3か月目も給料は振り込まれていました。

ここで銀行を退職する際のポイントは、『会社を利用する』ということです。
正直健常な状態で3か月も休みをとり、給料をもらい続けることについては、賛否あると思いますが、私はその選択肢を選びました。

企業は従業員を利用しますが、従業員が会社を利用してもいい訳です。会社が何と言おうと、自分自身で最良の選択をしていかなければ世の中上手く渡っていけません。

銀行を辞める際は、ギリギリまで銀行を利用してください。私の場合円満退社という訳にはいきませんでした。その点は心残りですが、今でも仲が良いお客さんや、同僚、先輩、後輩とは付き合いがあります。

嫌いな上司や能力が低い上司に嫌われた状態で退職しても、何のデメリットもありませんし、新たな人生を歩んでいくことを考えればむしろメリットしかないと思います。

嫌いな上司や、銀行の組織から嫌われても気にしないで下さい。全く問題ないです。お客にもし迷惑をかけたなら、退職した後に自分自身で謝りにいけばいいです。私はお世話になった方には挨拶をしにいきました。

銀行を辞めるにあたり、支店長からは『人事部で面接してから考えるか』と言われましたが、拒否しました。意志は固く、また時間の無駄だからです。退職種類の手続きは郵送でやり取りしました。非常に楽でしたし、煩わしいこともなくスムーズに終わりました。

退職してからがスタートライン

私の場合、銀行を退職してようやくスタートラインに立ちました。
銀行は下火な産業であることは間違いありませんが、安定や名声をすべて捨てたわけですので、ここからがスタートです。

今後待ち受けいている苦難や困難もすべて受け入れる心の準備はできていました。
転職しても銀行よりは給料も条件面もすべて下がることを受入ました。それらを受け入れなければ、銀行を退職したことも、転職したことも後悔してしまうこととなります。

私は転職するにあたり、『転職して、銀行時代の収入や条件面全て上回ることができる人間になる。』という目標を立てました。

現在は転職先の給料にまだまざ依存をしている状態ですが、今後は個人で稼いだ収入が給料を上回るところまでが当面の目標として、日々努力を惜しまないように過ごしております。

今回は筆者であるヒナムチの退職経緯についてお話しましたが、
今後は皆様に有益となる情報、育児や働くこと、時にはエンターテインメント的な内容で元気に、明るくできるブログを運営していきます。